いつか言葉に撃たれて  桃水ブログ 

個人の見解であり、真実と異なる場合もございます。

日曜詩歌  21,4,11

備後に赴く途上  うち一首  頼山陽先生

家を離れて 纔に一宿すれば

恍として訝る 吾が家に在るかと

孤衾(こきん) 冷たきこと鉄の如く

夢覚めて 爺(ちち)を呼ばんと欲す

 

家を離れてようやっと一夜泊ったばかりだというのに

ぼんやりとして我が家にいるのではないかと思ってしまう。

一人寝の夜着は鉄を着たように冷たくて、

夢から覚めると「お父ちゃん」と呼びたくなる。

 

 

歌人を訪ねる】

遍昭(815~890)

平安前期の僧・歌人僧正遍昭とも、遍照とも書く。

俗名良岑宗貞(よしみねのむねさだ)。良岑安世の子。

桓武天皇の孫。蔵人頭従五位上であったが、

仁明天皇の死により出家、後に僧正になる。

 花の色は 霞にこめて 見せずとも 香をだにぬすめ 春の山かせ

  花の色は霞で隠して見せなくても、

  せめて花の香りだけでも盗み出しておくれ、

  春の山吹く風よ。