汚れた世界に背を向けて

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土曜詩歌  22,9,24

土曜詩歌

中原中也

帰郷

柱も庭も乾いてゐる

今日は良い天気だ

  縁の下では蜘蛛の巣が

  心細さうに揺れてゐる

 

山では枯木も息を吐く

あゝ今日は良い天気だ

  路傍の草影が

  あどけない愁しみをする

 

これが私の故郷だ

さやかに風も吹いてゐる

  心置きなく泣かれよと

  年増婦の低い声もする

 

あゝ おまへは何をしてきたのだと…

吹き来る風が私に云う

 

【詩について】

詩はどうすれば書けるのか?

 

これも物書き共通の認識として、

読まなければ書けない。

 

何を読めば書けるようになるか?

万巻の書を読むことだが、

小説などいくら読んでも書けるようにならない。

 

絶対に読まなければならない一冊はなにか?

現代なら、やはり聖書だろう。

これを読まずして書いた詩は、

無免許運転で公道を走るようなもの。

 

あの詩を作ったのは僕だということ、

キミ以外の人間に知らせる意味はない。

キミだけに凄いと思われたい。

新作をもう見せられないのが残念だ。

 

詩は、人間の生命を和らげ、

現実の枯渇を沾すものである。

 

小説家は長距離ランナー。

詩人は短距離ランナー。

だらだら言葉を並べる小説家より、

短い言葉で決められる詩人の方が優れている。